浪漫家 KYOTO ROMANYA

浪漫家のコンセプト concept

お客様満足を超越して、感動を追及する

お店がきれいで、美味しくて、サービスが良いのはいまでは当たり前です。
お客様がお店に足を運ぶのは”付加価値”が高いかどうか、言い換えれば、感動することができるかどうかです。
感動するのは、自分が大切にされていると感じている時であり、それは、お客様を愛することによってしかできません。愛する人のためだからこそ、かゆいところに手が届く。これが本当の「おもてなし」です。
調理や接客の技術だけなら訓練することで上達しますが、しかし、愛の伴わない技術は人を驚かすことはできても、人の心を温めることはできません。
そして、お客様は、感動のないお店にはわざわざ足を運んだりはしないのです。

当たり前の大切さ

わたしが初めて店を開業して一年足らずのまだ全然儲からず悩んでいる頃、ちょこちょこよってくれている元気な女の子がいました。彼女は近所?の居酒屋でバイトしている調理師の専門学生でした。そのころ19歳くらいかな?とても明るく元気な女の子でした。バイトの帰りによく寄ってくれて、料理やお店の話を熱く語り合ってました。「近い将来、マイブランドで店を展開するし、そのとき料理長(店長)で来てくれよ!」「行くで!まかしといて!元気な居酒屋にするし ね!」って…。

けど、どの彼女がある日から突然お店に来なくなり、連絡も取れなくなりました…。

3ヶ月くらい経って電話があり、「今、入院してるねん」とのこと。「おおそうか、見舞い行ったるわ、病院どこ?」と言うと、「ボス絶対そう言う思たし、なかなか電話し辛かったんや、絶対来んといてな、かっこ悪いし、」「おまえそんな重症なんけ、どこ悪いの?」「うん、まあたいしたことないにゃけど…」と言 い辛い様子。「でも、ボスの焼鳥食べたいな…」「おっわかった、焼鳥おかあちゃんに渡しとくわ、俺からの差し入れ!」「えっほんま、ありがとう、楽しみに しとくわな!」 その日に彼女のお母さんに届けに行きました。むっちゃ喜んでもらえた。お母さんに彼女の病気のことを聴いてもあまり触れられたくない感じ…何回か差し入れ と一緒に励ましの手紙を添えてお母さんに届けに行きました。「ボスありがとうな、あの子だいぶ良くなってきたし、退院したら真っ先にボスのとこ行くねん、言ってたし」「退院パーティーしような!」と言って帰ってきました。

ボスの誕生日の日に手紙貰いました。
「最高の一年でありますように!ボスパワーでお客さんを元気にしてあげて下さい。うらやましいぞ!」

……それから半年後…、彼女は亡くなりました…。

通夜のとき、彼女のお母さんから「あの子は本当に料理が好きで、人が好きでいつでも復帰できるように包丁握ったり、レシピ書いたりしてたえ、薬の副作用で痛いはずやのに…」と聞かされた時、本当に自分が情けなく、小さく感じました。
ちょっとした事で「しんどい」「やめたい」と思っていたことが…。
彼女は入院中、毎日日記を書いていたそうで、見せてもらいました。「病気になってはじめて健康な体っていいな…あたいのからだ、もう少し頑張れ!」
「お父さん、お母さん、お兄ちゃん、ほんまにありがとう」
「あたいの夢は元気になって、もう一度お店に立って料理創ること!絶対できる」
もう涙が邪魔して、それ以上読めませんでした。

自分が当たり前に過ごしていることが彼女には当たり前じゃなく「夢」だったんです。そのとき、どんなことがあっても、「逃げたらあかん」「辞めたらあかん」「絶対に逃げない」「絶対に辞めない」と自分に誓いました。彼女の熱いメッセージで気付かせてもらえた…
「世の中、やりたい事があってもできない人もいっぱいいるんやで」
そのことに気付かせてもらえた。
浪漫家の心「感謝の気持ち」「プラス思考」「決して諦めない事」「今を楽しむ力」「当たり前のことを一生懸命やれ」…
浪漫家の心を創ってくれたのは彼女でした。
仕事をしたくても、できない人がいる。自分で選んだ仕事やのに、愚痴をいってる人がいる。
みんなで力を合わせて頑張ろうといっているのに、適当にやってるだけの人もいる。
大切なことに気付かせてくれて本当にありがとう!

私も、もっと今に感謝して、全力で楽しんで生きていきます! 今日久々に20年前の感動の出来事。思い出させていただきました。涙がでました。浪漫家の基本。お母さんありがとうございました。

2008.12.30

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